犬の皮膚病、かさぶたになる前に!なめる仕草で分かる病気の見分け方。
2019年01月27日
犬が舌を使ってなめるしぐさは、人間が手を使って体のあちこちをさわるようなもので、ごく自然の行為と言えます。
ところが、
あまりにも執拗に同じ部分をなめていたり、皮膚があかくなるほどなめ続けているのならば、それは病気や体調不良のサインかもしれません。
受診を考えるきっかけのためにも、どのようななめ方が疑いのあるなめ方なのか見分け方を紹介します。
なめるしぐさの見分け方
・脱毛や赤みがないか?
なめている部分に脱毛や赤みがないか確認してみましょう。
肉球や、指の間の奥の炎症は、パッと見では分かりづらい事があります。
毛をかき分けて皮膚の状態をよーく観察する必要があります。
・急になめるしぐさが増えた!
なめるしぐさが急に始まったり、急に回数が増えたときは要注意!
愛犬の体調に異変がないか全身をチェックしましょう。
・同じ部分をなめていないか?
愛犬が、いつも同じ部分ばかりをなめている場合は、何か異変があるのではないかと疑ってみましょう。
その部分に、赤みや炎症がないか?被毛の変色がないか?観察してみて。
・常にどこかをなめている。
皮膚の病気などの原因以外にも、心の病気の可能性もあります。
なめていないと落ち着かないような症状の場合は、以前も紹介しました「行動学」の分野でみる必要があります。
獣医さんに相談してみましょう。
・なめている部分を触らせない!
なめている部分を触ろうとすると、突然怒ったり、嫌がったりするのは痛む部分があるのではないかと疑ってみたほうがよいでしょう。
以上の項目を目安にして、迷ったときは受診をしましょう。
次に、実際にどのような病気が疑われるのか見ていきましょう。
皮膚表面の炎症
・外傷、異物が刺さっている
散歩中にガラスを踏んで怪我をしたり、肉球にトゲが刺さった痛みによってなめているケースです。
足をかばうように歩いていないか?
出血はないか?
チェックしましょう。
・マラセチア皮膚炎
犬の皮膚に常在するマラセチアという菌が増殖することで発症する皮膚炎。
蒸れやすいところに発症しやすく、指の間などをしきりになめていたら要注意です。
・膿皮症
皮膚にブドウ球菌などの細菌が感染することで生じる化膿性の皮膚病です。
ポツポツした赤い発疹がかさぶたとなり、強いかゆみをともなうのが特徴。
なめ壊して炎症や脱毛になることがあるので注意を!
・アレルギー性皮膚炎
食べ物やハウスダスト、花粉など様々なアレルゲンが原因で、アレルギー反応が起き、炎症を起こす皮膚炎です。
激しいかゆみを伴い、炎症部分をなめ壊す事があります。
・ノミ、ダニ刺咬症
ノミやダニに噛まれたところにかゆみや脱毛がみられ、体の所々にあらわれるのが特徴。
皮膚に赤みが出る場合は、ノミの唾液が原因で発症するノミアレルギーの場合もあります。
・肢端舐性(したんしせい)皮膚炎
体の不調やストレスが原因で、かゆみがないのに足先など絶えず同じ場所をなめ続ける事で脱毛や炎症を起こす皮膚炎です。
なめ続けてかゆみがおきると、さらになめ続けるという悪循環が起こります。
体の内部に潜む病気や怪我
・胃腸炎
誤飲、誤食、寄生虫や細菌感染、アレルギーなどの関係でおこる胃腸炎。
気分が悪くて床をなめる、舌なめずり、口をクチャクチャするなどの行為が見られます。
食欲不振や下痢の症状も同時に出ることがあるので、異変を感じたらすぐ受診を。
・膀胱炎、尿石症
細菌感染やストレスによりおこる膀胱炎。
泌尿器に結晶や結石ができる尿石症。
オシッコの出具合に違和感があったり、排尿時に痛みを感じ、陰部や下腹部を舐めるしぐさが増えます。
・子宮蓄膿症
様々な細菌が子宮で増殖して引き起こす病気。
陰部をしきりに気にしてなめるのが特徴で、膿が出ることがあります。
元気が無くなり、食欲不振や吐き気などの症状が出ることがあります。
・関節炎、脱臼、骨折
関節炎や、脱臼、骨折などで四肢に異常があり、痛みがあるときも患部をなめていることがあります。
足を引きずっていないかなど観察する必要があります。
以上、皮膚から疑う病気でした。
犬は言葉で痛みや体調不良の訴えができないため、イライラやストレスが
なめる
しぐさとなって現れるようです。
定期的な健康診断を行って愛犬を皮膚トラブルや病気から守る事が大切ですね。
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