目の不自由なジャーマンスピッツが見せた奇跡の光景!
2018年07月02日
私の知り合いに全盲の方がいます。視覚障がいがある方ですが、非常に耳の感覚が鋭く、私が少しでも声を出せば、「Sくん!」とすぐに反応します。
これは、反響定位(エコーロケーション)と言われるもので、杖でコンクリートなどを叩いてでる音の反響音から周囲を推測することができるテクニックです。
今回のお話は、生まれながらに全盲ながら、このエコーロケーションを使って目が見える犬と変わらない生活をしているジャーマンスピッツのローワンの物語です。
盲目のローワン
ロンドンの片田舎でブリーダーを営むサム・オーチャードは、予定よりも五日ほどの早産でローワンと出会いました。
ローワンは、生まれてからいつまでたっても目が開かず、心配したサムはローワンを獣医に連れていきました。
診察によってショッキングな事実を知りました。
なんと、ローワンは目が開かないのではなく、眼球自体が無かったのです。
五感が優れていたローワン
ローワンの目の問題は、遺伝的なものでした。
ただ、ローワンは、聴覚も嗅覚も他の犬と比べると鋭い犬でした。
いつの頃からか、吠えることで自分の声を聞き、その反響から自分の周りの環境を理解して普通の犬と変わらない行動がとれるようになっていました。
普通にしか見えない!
サムがローワンを呼んだ場合でも、ローワンはその声から位置を把握して一目散にサムのもとへ走ります。
はじめてローワンを見る人は、ローワンが盲目だと気づかないそうです。
どうして目を閉じているのだろうと不思議に思ってサムに聞いてくるくらいです。
それだけ、ローワンの行動は自然で、危なっかしいところがないのだそうです。
障害に打ち勝って人生を楽しむ。
ローワンの目の障害を知った周囲は、安楽死をサムに進めたそうです。
しかし、サムはどうしてもそれができませんでした。
もしも、サムが安楽死をしていたのならば、こうしてローワンが楽しく遊ぶ姿も見れなかったことでしょう。
「ローワンは自分の事を可愛そうだなんて思っていません。生まれつき目が見えないのですから、ローワンにとっては誰もが自分と同じなんです。」
そう語るサムの横をローワンは楽しそうに走っていました。
感想
サムは、ローワンが生まれつき目が見えないからそれが当たり前で周りも自分と同じ環境で過ごしていると言っていますが、私はそれは違うと思っています。
人間のように、犬にも犬語が存在すると言われています。
兄弟犬もいたことから、ローワンはきっと、周りからちょっと違うよと言われていたのではないでしょうか?
だとすれば、ローワンの凄さはもっと別のところにあります!
自分に障害があることを知りながら明るくたくましく生きているというところです!
もしも、ローワンではない犬が全盲だったなら、こんなに明るくたくましく生きることができたでしょうか?
色々と考えさせられるお話でした。
「忠犬ハチ公だけではない!飼い主のそばから離れなかった愛犬のお話!」
「難病のチワワが安楽死を逃れて全力で生き抜いたお話!」