動物行動学者イアンダンバー博士による、犬を叱らずにしつけるパピートレーニングを紹介します。
2018年06月20日
ワンコメイトでは再三、犬のしつけでは絶対に叱ってはだめです、と伝えてきました。
今回は、世界的に有名な動物行動学者イアンダンバー博士の提唱する叱らないトレーニングを紹介したいと思います。
イアンダンバー博士とはどんな人物?
イアンダンバー博士は、家族が褒めて愛犬をしつけるトレーニングの第一人者であり、世界のドッグトレーナー界において、その名を知らない人はいないと言われている動物行動学者です。
ドッグトレーナー団体APDT(ペットドッグトレーナーズ協会)創設や、自身のシリウスパピートレーニングの運営を通して幅広く活動されています。
褒めるドッグトレーニングは昔から存在した!
ダンバー氏は、犬を叱らずに褒めるトレーニングを推奨しています。
博士が言うには、この褒めるトレーニングとはけして新しい手法ではなく、古くから一般的に行われていたトレーニングだと言います。
意外なことに、軍用犬のトレーニングに頻繁に使われていたというのだ!
どういうことかというと、もし、厳しい訓練をして人間を怖がる犬になってしまったならば、戦場で自分達の命を預けることができないからだと言う。
※本当の信頼関係は厳しくしつける事では生まれないことが分かりますね!
体罰のトレーニングは何故駄目なのか?
今でも、ビシビシと犬を鍛えるトレーニングは少なくありません。
日本でも警察犬の訓練経験者のドッグトレーナーはそういったしつけを推奨する方もいます。
しかし、叱る状況が続くという事は、その手法がうまく機能していないことを示していると博士は言っています。
氏によると、体罰トレーニングが悪いという訳ではなく、叱っても叱っても犬が同じ間違いを犯すようならば、「この方法は間違っているのかも?」と謙虚に疑う姿勢が必要なのだと言っています。
ペットオーナーはドッグトレーナーではない!
イアンダンバー博士の推奨する叱らないドッグトレーニングは犬と始めて暮らす人でも簡単に実践できると言われています。
ダンバー氏がドッグトレーニングのなかで大事にしていることは、
「ペットオーナーはドッグトレーナーではない」
ということです。
誰にでも実践できて、分かりやすいトレーニングであることと、分かりやすい解説と使いやすい用品が不可欠であると説いています。
ダンバー博士のトレーニング具体例。
分かりやすさと叱らないトレーニングを推奨しているイアンダンバー氏のしつけの一部を紹介します。
ダンバー氏は、仔犬の食事にコングを使うことを勧めています。
※コングとは、穴の空いたおもちゃで、中にエサやチーズを入れることができるものです。
食べ物という一番魅力的なもののパワーを使って、コング好きの性格にしてしまう。
何故、コング好きにすることが大事なのかというと、ケージの中で一人で過ごすことができるようになるには、仔犬が不安になったり、退屈しないように娯楽を与える必要があるからだという。
人間の子供にとってのテレビゲームやマンガのような効果があるそうです。
仔犬の時期にコングが好きになっていれば、成犬になってからでもコングによって感情をコントロールできるようになるとの事。
これは、ワンコメイトで今まで紹介してきた手から食事を与えると信頼感が増すしつけの仕方に通じるところがありますね。
食器で食事を与える事がいかに信頼関係を築くチャンスを失っているかと言うことです。
ダンバー氏のコングの方法を知るまで、留守の時は食器で食事を与える事は仕方ないと思っていましたが、
ダンバー氏は食器は必要ないと言っています。
例えば、野生の犬は起きている時間の95%は食事の獲得の為に動いている。
食器で食事を与える事は、その衝動を一瞬で満たすことになってしまう。
結果的に犬の楽しみを奪ってしまっているというのだ!
これを読んで、「なるほど」と、とても感心しました。
まとめ
命をかけた訓練が必要な軍用犬すら褒めてしつけていたなんてビックリでした!
今回はイアンダンバー博士の話の一部しか紹介してませんが、詳しくはイアンダンバー博士の
「子犬総合管理システム」
でネット検索してみてください。
もっと色々新しい発見があることと思います。
私の中で発見だったのは、コングに夢中にさせることの大切さでした!
仔犬にとってコングで遊ぶことが本能を満たす役割をしていたのですね。
今まで手から食事を与える事の大切さを伝えていましたが、ケージに入ってからはコングで食事を与える事を加えていきたいと思います。
皆さんも実践してみてくださいね!
「ペット先進国より学ぶ犬と人との理想の関係。」